遠くても、残っていても反応する香料
ある日、久しぶりになんとか出社しました。と、早々に、大きな会場で開催されるシンポジウムに顔を出すよう社長である父から言われました。
それまで家と鍼治療の往復以外、外出していません。
一抹の不安を覚えつつ、マスクをして出かけました。
不安は的中しました。
建物に入ったとたん、大勢の人が行き交うロビーの様々なにおい、遠くの喫煙所のにおい、エレベーターにのれば前に乗った人たちのにおいが、いっせいに、そして個別にはっきりと襲いかかってきます。
会場では出入り口そばの席に座りました。すると、人が行き来するたびに化粧品や整髪料のにおいが私に届きました。マスクを手で抑えるも、天井がまわりだして吐き気に襲われました。
「まずい。もたない。」
さっき送ってもらった父にすぐ引き返してもらうよう、電話をしました。
そして、這うようにして会場を出ました。途中知り合いに声をかけられても、ろくに返事もできません。外に出ても立っていられず、膝をついて花壇に寄りかかり、父の到着を待ちました。
「無理だ。私、世の中に出られない。どうしよう。」
身の回りのものを変えていくと体調が改善し、楽になる一方、ただのアトピーではない気がしていました。
自分が普通じゃないと確信したときでした。
『大丈夫、きっとよくなる。化学物質過敏症の私がつくった製品wacca(ワッカ )』
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