化学物質過敏症だけど、学びの機会を失いたくない

人は何かを失って初めてその貴重さに気づくもの。
私にとってその一つが、セミナーなどの勉強会です。

今はYou Tubeでいろんな方の講義がアップされているので、普段はその中から気になるものを聞いています。それでも、直接その場で話を聞きたい、と思う方がいます。

先週、そういう方のセミナーがありました。
会場がふくい産業支援センターのマルチホールだったので、思いきって申し込みました。
以前からこちらのセンターでは、私が化学物質過敏症で会場に入りづらい事情を話したところ、ホールの上にある調整室で聴講させてくださるのです。おかげで、これまでにも何度かセミナーを受けることができました。

今回のセミナーは大変な人気で、100名以上の受講になりました。
人数の多さと、この時期のせいか、香料もさることながら消臭剤や制汗剤の成分が強く、私の反応が重く出てしまいました。体調が悪化したので、主治医から出されている重曹を飲み、しばらく廊下のソファで横になったものの回復しないので、途中であきらめて帰ることに。

思考力が落ち、ろれつが回らなくなったので、前半1時間はスライドを写真に収め(許可されているもの)、後で見返せるようにしました。
もう執念です。なんとかこの内容をモノにして、できるだけ吸収したい、という思いでそこにいました。

翌日、鍼治療を予約してあったので、治療してもらいました。
だいぶ反応が強く出たね、と先生に言われながらも、反応した時の状況を伝えて応急処置のツボなども教えてもらいました。その後は休みを取ってひたすら横になりました。

出かけて曝露したら、翌日は自分が使い物にならない、と覚悟しています。
治療とセットにして、回復する手段を準備しつつ出かけます。
それでも、そうして出かけた時は、行った価値があるといつも感じます。

病気になる前の1時間と、今の1時間は同じ長さなのに、私の意識は全く違います。
学びたい欲も違います。

失う前にそのことに気づけたら、一番いいんですけどね。

『大丈夫、きっとよくなる。化学物質過敏症の私がつくった製品wacca(ワッカ )』

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wacca代表。シルクスクリーン製版、衣装制作の(株)横山工藝 取締役。学芸員(美大卒)。2009年に化学物質過敏症を発症し、13年に診断。12年~14年が最も状態が悪く、今は寛解(かんかい)に向けて前進中。アトピー性皮膚炎歴30年。 過敏症やアトピーの人が安心して使える衣料、安全な染料でおしゃれを楽しめる衣類を開発。

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