私が「助けてほしい」と言えるようになったのは

「私は化学物質過敏症という病気でこういうことができません。こうしてもらえませんか?」

とお願いすることに随分慣れて来ましたが、最初は「申し訳ない」「私のわがままと思われるのでは」と、なかなか言い出せずにいました。

でもある時、子供が小さい時にママ友に言われたことを思い出したのです。

長男が保育園、次男が1歳の時に、私に東京出張が入りました。
その日は両親も不在で、夫も仕事が抜けられず、次男は長男が通う保育園の1日預かりにお願いできたものの、お迎えの18時までにはどう考えても帰れませんでした。

どうしよう…と思い悩んでいると仲良くしている同じ保育園のママ友が
「私が二人を迎えに行って、夕飯まで食べさせようか?出張から帰るまでうちの子たちと遊ばせているから。」
と提案してくれました。

本当にありがたかったのですが、申し訳ない、と躊躇していると

「あのね、人って助けてってお願いされると嬉しいものよ。」

と言ってくれました。涙が出ました。そこで初めて私は、彼女に頼ることができました。

何事も抱え込みがちな私の性格は、いろんなことを難しくしているのかもしれない、と思いました。

私に限らず「迷惑をかけちゃいけない」「やれることは自分でやらなくちゃ」と思いがちな方は多いと思います。

いまでも、相手に何かをお願いしたい時「こんなことお願いしていいのだろうか」という気持ちが湧き上がります。

でも、その時にあのママ友の言葉が脳内で再生されるのです。
そして、思い切ってお願いしてみよう、という気持ちになり「すみません、私、化学物質過敏症という病気でして…」と話します。
多くの方が「わかりました。こうすれば大丈夫ですか?」と聞いてくださいます。

そんな時、いつも感動を覚えます。
そして、一人じゃないんだ、周囲の人に助けてもらえば、できることはたくさんある、と思うのです。

『大丈夫、きっとよくなる。化学物質過敏症の私がつくった製品wacca(ワッカ )』

たくさんの人が化学物質過敏症の現状を知ってもらうために、応援してくれています。
このバナーをクリックしてくれるだけでこの応援の輪がどんどん広がっていきます。
ご協力ありがとうございます。

カナリアハウス主宰|シルクスクリーン製版の(株)横山工藝 取締役。学芸員(美大卒)。2009年に化学物質過敏症を発症し、2013年に診断。12年~14年、21年が最も状態が悪く、今は寛解(かんかい)に向けて前進中。アトピー性皮膚炎歴30年。 過敏症の方が使える衣類を開発・製造して「ワッカ」http://store.wacca-f.com で販売|衣食住に関する情報発信は「カナリアハウス」https://canariahouse.com |著書に「化学物質に過敏なあなたへ」https://amzn.to/3UdVC2T|YouTubeチャンネル「カナリアハウス」 https://www.youtube.com/@canariahouse

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

“私が「助けてほしい」と言えるようになったのは” に6件のコメントがあります

  1. スーパーなどに設置してある、古紙回収の前で喫煙をしている人がいました。
    サービスカウンターに行って、喫煙している人がいるので古紙回収BOXに入れて欲しいとお願いしました。
    もちろんそのようなサービスなどしているはずがありません。
    しかし、理由を説明したら引き受けてくれました。

    ダメだったらダメだった時考えればいい。
    ダメでもそのような病気があるんだと、知って貰えるきっかけにもなります。
    知って貰う事で理解してくれる人を増やせば、自分以外の患者さんが来た時に、気兼ねなく頼めるようになればいいなと思います。

    1. ああ、素晴らしいですね。
      そうなんですよね、理由を説明すると、多くの方は一緒に考えてくださいますよね。

      私もダメだった時に考えればいい、知ってもらえたら十分、という気持ちです。

      1. 同じような考えの方がいて嬉しく思います。
        こんなに重要な病気なのに、病気を知らない人の方が多いですよね。
        医師も国民もです。
        この病気を知られると風評被害と言われるからでしょうね。
        社会は売れなくなったり、裁判になるのを避け、少しでもこの問題を遠ざけようとしています。
        しかし普通に生活をしていて病気になるような商品が平然と売られています。
        そして病気になっても何の保証もしてくれないどころか、自分が気を付けていて避けれる物でもありません。
        現実を見て正しい判断をしなければ、被害者が増えるというのに。
        これからの被害者を出さない対策と、被害者を守る政策が必要だと思います。
        患者数が増えて欲しく無い病気ですが、味方は増えて欲しいですね。

        1. 私は、変な言い方ですが、儲かるようになれば企業はそちらにいくと思ってるんです。

          これも私の事業化のチャレンジだと思っています。
          やってみせることかと。

          これまで、自分が使える商品を見つけても、その商品がなくなったり、お店(事業所)がなくなったりすることが多くて。儲からない、というより、やっていけないレベルなのだろうな、と。

          安全で安心、良い商品がなくならないためには、取りすぎる必要はないけれど「利益」が必要で。

          実は体によくない商品を作り続けている企業も、その商品が売れなくなり、原料も製造過程も明白で害のない商品が売れる、となれば、動くのかもしれない、と思っています。

          もちろん、その背景には多くの患者さんや周囲のひとの声があると思います。

          時間がかかりそうだけれど、世の中の変化やスピード見ていると、意外とそうでもないのかも。

          と、楽天的な私は考えています(笑)。

          1. 世の中の流れは安全で害のない物、環境問題に向っています。
            日本はまだ意識が低いですが、世界がその方向を向いているのですから、日本の意識も変わらざるを得ません。
            そして現実に天災での被害も拡大しています。

            安全な商品は特にフェアトレードでなければ作り続ける事はできません。
            最初はターゲットを患者や子供のいる家庭、健康、環境に意識の高い人などに絞り込み、そこから広げていけば絶対に成功すると思いますよ。
            応援しています。

          2. そうですね、その絞り込みから広げたほうがいいだろうな、と私も考えていました。

            心強い応援の言葉、ありがとうございます!