化学物質過敏症で新型コロナに感染。選択肢と私の判断。[前編]

先月、私は新型コロナウィルスに感染しました。
今回のブログではこの感染拡大が始まってから私がコロナに対してどう考え判断し、選択してきたかをお話しします。

新型コロナウィルスに関して、私なりの答えを出さないといけないことがいくつかありました。それは

・ワクチンは打つ?打たない?
・ワクチンを打つなら1回?2回?3回?
・濃厚接触者になったらどうしたらいい?
・感染したら治療はできる?
・施設へ隔離や入院になったら?

すぐに答えが出せるものでもなく、また化学物質過敏症での参考例もないため感染拡大の様子を見ながら思考を深めていきました。

マスクの効果

2020年の春、新型コロナウィルスの感染が広がり始めた頃はとにかくマスクをしっかりしておこうと思いました。コレだけで結構効果があるだろうと思いました。なぜなら、化学物質過敏症になって日常的にマスクをするようになってからインフルエンザに罹らなくなったからです。

当時はマスクが品薄になり、市販のオーガニックコットンマスクも在庫切れが続いたことから、化学物質過敏症に対応したマスクを作ろうと決心しました。マスクには上下にワイヤーを入れて顔の凹凸にフィットさせました。香料など化学物質がマスクの隙間から入らないようにすること=空気の侵入をできるだけ防ぐことはウィルスの侵入を減らすことにもつながると思いました。(詳しくは当時のブログ

コロナをリアルに感じた時

ちょうどその頃、アメリカに住む妹と妹の娘がコロナに感染したようでした。ようだ、というのは、もうアメリカの病院では患者が受け付けられないほど溢れていて、病院に行っても診てもらえなかったからです。

妹はそれから2週間、高熱とひどい咳に悩まされました。あまりに続く咳に妹も精神的に辛くなり、ラインのやりとりでも「大丈夫、死なないから!良くなるから!」と励ましたほどでした。未知のウィルスという怖さと医師に診てもらえない心細さは妹にも大きな負担になっていました。

それでもなんとか回復した時、鏡を見たら舌苔がびっしりとついていたとも話していました。よく言われる味覚障害はこの関係もあるのかと思いました。

妹の大変な様子をリアルに聞いていたので、コロナをなめてはいけない、と思いました。その頃はまだ弊社でもマスクをつけていない社員がいたので、社内で縫製したマスクを渡したりして対応をすすめました。

ワクチンを打つ?打たない?

ワクチンができた頃、ニュースを見ながら「私は打てないだろうな」と漠然と思っていました。なので当初は「打たない」と決めていました。

病状が重いデルタ株の広がり

ワクチンに対する考えが変わり始めたのは、病状が重いデルタ株が流行り出した頃です。素人が判断できる域を超えていると思ったので、主治医に相談しました。

結果「横山さんは入院することが難しい。もし感染しても自宅で療養できるレベルにするために、1回だけワクチンを打とう。」という判断に。

今の先生に診てもらってから6年ほど経ちますが、これまで私が飲めた薬や漢方、現在の状態から医師が判断したものですので、皆さんにも当てはまるとは限りません。実際、同じ先生に診てもらっている他の化学物質過敏症患者さんでは2回打たれた方もいます。こうしたことでも、自分の状態を診てもらっているかかりつけ医というのは大事だなと感じます。

打ったのはモデルナ製

2021年の夏はワクチン接種が進み始めたとはいえ、40代の私はまだ予約すらできない状態でした。

そこで、会社に案内が来ていた職域接種で打つことにしました。職域接種はモデルナ製になります。mRNAワクチンについてはいくつか資料も見ましたが、結局のところ新しいものだからどうなるかやってみないとわからない、と思いました。

ワクチン会場では別ルート

化学物質過敏症であると記載した問診票を渡すと、内容から別ルートに案内されました。そこで会場の医師と話すことに。

医師:「2回打たないとワクチンパスポートなどの優遇が受けられませんよ」
私:「外出はもともとできないので構いません」
医師:「かかりつけの先生の許可があるんですね。今から打ちますと病院に連絡しておいてください。何かあったらそちら(の病院)へ行ってもらいますから。」
私:「わかりました」

と、そこで主治医の病院へ電話連絡しました。

医師:「こちらのベッドに横になって打ちますので」

と案内されたのは、パーテーションで囲われた2畳ほどのエリア。ここでしまった!と思ったのは、ベッドに毛布が用意されていること。

私:「すみません、このままでは横になれないので、何か敷くものはありませんか?毛布も片付けてもらえますか?」とお願いすると、新しい不織布のシーツをベッドに敷いてくれました。

このとき私はwaccaのハーフケットもシーツも持参していませんでした。
こんな時に忘れるなんて…と思いつつ、クーラーが効きすぎた中で何もかけるものがなく、震えて過ごすことに。

打たれたのは左腕。
身の置き所がない30分間。
「辛い…寒い…」と夫に訴えてます。
寝ている横の壁に貼られていた紙。
ここはそういうベッドなのね、と理解。



ワクチンを打ってすぐ、めまいを感じました。
あ、これはやばいぞと思い、確認のため体を起こそうとしましたが無理でした。「これ、帰れるかな」と付き添ってくれた夫に話していました。

ベッドで打った人は30分医師と看護師のもとで様子を見ることになっているようで、変わるがわる様子をみにきてくれました。

私:「起き上がれません」
医師:「うーん、もう少し様子見よう」
の会話を何度か繰り返し、30分経った頃

私:「あ、ちょっと起き上がれる感じです」
医師:「お、そうか!じゃあ今のうち帰ろう。何かあったら帰りに主治医のところに行ってね。」

と急かされるように(笑)その場を後にしました。

モデルナ製mRNAワクチンの副反応

その日は打った腕がだるく、翌日も上げられない感じでした。
特に熱が出ることはありませんでした。
その後、目立って体調が悪くなることもなく、将来的にはどのような影響があるかはわかりませんが、とりあえずは乗り越えた気分でいました。

※感染してからは次のブログ[後編]にて







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カナリアハウス主宰|シルクスクリーン製版の(株)横山工藝 取締役。学芸員(美大卒)。2009年に化学物質過敏症を発症し、2013年に診断。12年~14年、21年が最も状態が悪く、今は寛解(かんかい)に向けて前進中。アトピー性皮膚炎歴30年。 過敏症の方が使える衣類を開発・製造して「ワッカ」http://store.wacca-f.com で販売|衣食住に関する情報発信は「カナリアハウス」https://canariahouse.com |著書に「化学物質に過敏なあなたへ」https://amzn.to/3UdVC2T

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