化学物質過敏症で新型コロナに感染。選択肢と私の判断。[後編]
2022年5月18日、夫が新型コロナウィルスに感染・発症しました。
一緒に住む私と長男は濃厚接触者となりました。
夫と同じ部屋で寝ていた私と自室にいる長男とでは隔離期間が異なりました。
私は5月26日まで、長男は23日まで自宅待機となりました。
家庭内での隔離
オミクロン株はデルタ株のように症状は重くないものの、感染力は強いとのこと。
私や長男が感染しないよう、夫は小さな和室で過ごし、食事もそこで摂るようにしました。
私は室内でもマスクをして、換気に努めました。
夫の症状
38度を超える熱と咳、鼻水がありました。夫は「インフルエンザのような感じ」とのこと。
頭痛もする、と市販薬のイブを飲んでいましたが、あまり改善しないのでその後病院で処方された解熱剤カロナールを飲んでいました。
食事も数日はお粥程度のものを食べ、お水のほかポカリスエットを飲んでいました。
毎日の健康確認
夫だけでなく、濃厚接触者の私や息子にも保健所から毎日携帯に連絡がありました。体温は何度か、健康状態に変わりはないかなどを確認されます。
特に発熱もなく、体調の変化もなかった長男は23日で隔離期間を終えました。念のため抗原検査を行ったところ陰性だったので、仕事も復帰しました。ただ、私達と一緒に生活しているので、会社では他の人と直接接触するのは避け、仕事の受け渡しもある場所においておく、という形でパソコン作業をしていました。
私の発熱
24日の朝寒気がするので体温を測ると38度5分。前日の夜、喉の痛みがあったので用心して早めに寝たのですが「熱が出てしまったか…これはうつってしまったかも」と残念な気持ちに。
保健所からの電話に「38度5分です」と答えると「PCR検査を手配します。折り返しますのでお待ちください。」と言われ、しばらく経ってかかってきた電話で「横山さんは今日の午後2時に保健所の駐車場へお越しください。そこで唾液の検査をします。自分の車で採取して頂きます。」との指示。
自分で運転できる状態ではなかったので、熱が下がった夫に運転してもらい保健所まで行きました。
PCR検査
指定された時間に保健所の駐車場へいくと、名前を確認され容器を渡されました。
こちらの容器に唾液を入れます。
先に経験している夫が「梅干しの画像を見ながらやった方がいいよ」と。確かに酸っぱいものを見た方が唾液が出ます。ある程度の量が必要なので、スマホで梅干しとレモンの画像を交互に見ながら採取しました。
規定の量に達したところで提出。結果は翌日とのことでした。
検査結果
翌日保健所から連絡があり「陽性でした。つきましては、自宅待機は6月2日までになります。」とのこと。ああ、自宅待機は明日までだったのに…そんなに伸びるのか、とがっくりきました。
保健所:「解熱剤はお持ちですか?」
私:「化学物質過敏症なので解熱剤は飲めないんです。」
保健所:「え?」←電話の向こうで止まっているのがわかります。
私:「あ、大丈夫です、いつも熱を出しても薬は飲まずに治しますので。」
なるほど、そうですか、と電話口の方はメモを残しているようでした。
電話口の担当者は毎日変わりましたが、私が化学物質過敏症だということはご存知のようで、情報が載っているのを感じました。
私のコロナ症状
夫と比べると、咳や鼻水は少ない方でした。38度台の熱が続く間は頭痛と関節の痛みがありましたが、薬が飲めないので耐えるしかありません。普段熱を出した時も、ひたすら横になって治すのですが、大体4日はそんな状態が続きます。今回も同じスケジュールかな、と覚悟してただただ寝ていました。
これも夫と同じですが味覚障害が出ました。家にいて食べることしか楽しみがないのに、味が薄いと食に興味が湧かなくなりました。私はかなり食べる方ですが、美味しくなければやはり食べたくないんですね。
また、甘味は感じたのに、苦味、塩味、うまみ(出汁のような)はほぼわかりませんでした。自宅待機が明けた夫が食事を作ってくれましたが、かなり塩味がキツくなっていて、夫の味覚障害もまだ戻っていないようでした。
私は市販の飲み物(ポカリスエットなど)も飲めないので、お茶とお水で水分をとり、かかりつけの病院で処方してもらっている粉末のアスコルビン酸(ビタミンC)を毎日飲んでいました。
患者へのサポート
30日に体温がようやく36度台になりました。すると保健所から福井県のサポートセンターに管理が移り、そちらから毎日連絡がくるようになりました。今日の熱は何度ですか?体調はいかがですか?と聞かれ、味覚障害が出ています、とか、咳は出ません、などと話しました。
5月18日に夫がコロナになってから6月2日まで毎日かかってきましたが、もし私が一人暮らしだったらとても心強いだろうなと思いました。前記事に書いたように、アメリカにいる妹はコロナになっても病院で診てもらえずとても不安な日々を過ごしたと言っていました。日本の対応は手厚いなあと感じます。確かに手間がかかって負担になるものもあるでしょうが、それも色々改善したんだろうなと垣間見えるところもあり、日々のサポートはありがたいなと素直に感じるものでした。
自宅待機終了
6月2日、熱も下がっていたので無事に自宅待機が終わりました。気分は本当に「解放」といった感じでした。化学物質過敏症で体の状態が悪い時、1ヶ月くらい寝ていることもあるのですが「出てはいけません」と厳しい隔離の元で過ごすのは精神的なプレッシャーがあるのだと感じました。
また、この間いつも通っている鍼治療に行くことができませんでした。自宅待機が終わって1番嬉しかったのが「鍼治療が受けられる」ということでした。
コロナにかかる前、5月4日から私は今年2度目の帯状疱疹になっていました。今回はお腹と背中両方に出て痛みも強く、ちょっとした動作や座るたびに「いたっ」と連呼していました。鍼の先生からは「相当強い痛みだねえ」と言われていたものの、こちらも痛み止めを飲むこともできず、ひたすら我慢の日々。私は鍼治療と相性がいいので、体調を良くするためにも早く治療を受けたいと思っていました。
ただコロナで寝ているしかなかったので、帯状疱疹の治癒も進んだようでした。やはり寝ることは一番の治癒につながるのだな、と感じました。
コロナ後遺症
熱は下がりましたが、少し動くだけでも息が切れ、動悸がしたり、倦怠感も強くちょっとした家事をするのがやっとでした。仕事も気になっていましたが、数字が全く頭に入らないことに気づきました。口座番号を書き写そうとして何度も間違えたり、電話番号を見ながらプッシュボタンを押そうとすると違う番号にかけてしまったり。
これらの症状は少しずつよくなっているものの今日現在(7月2日)も続いています。
妹もコロナに罹った後色々影響があり「あ、抜けたな、と思ったのが2ヶ月後だった」というので、私もしばらく様子を見ようと思います。
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ご協力ありがとうございます。
奈保子さん、こんにちは。
ブログ大変参考にさせて頂いております。
ありがとうございます。
お伺いしたいことがありましてメッセージさせて頂きました。
昨年奈保子さんや妹さんがコロナに感染され大変なことだったと思います。
お二方はどれくいで回復されましたでしょうか。
私も感染して1か月弱になりますが毎日しんどくて寝たきりに近い状態です。
周りの方は2か月で良くなるとか、1年で、1年半でと聞くことがあります。
化学物質過敏症のためお薬やサプリ、漢方なども飲めません。
回復にはかなり時間がかかるのかなと思ったりしていますが
もし差し支えなければコロナの情報がお分かりでしたら教えて頂けませんでしょうか。
ご多忙中申し訳ございません!
お手すきのお時間で構いませんのでどうかよろしくお願い致します。
コロナに罹られたんですね。
まだお辛い状況ですね。
妹の症状はブログに書いたとおり、元の体調に戻ったと感じたのは2ヶ月くらいだと言っていました。
私の場合はもう少し長くて、8ヶ月くらいは頭がはっきりしなかった気がします。
主に数字が覚えにくいとか、文章が書きづらいといった感じでした。
疲れやすかったり、倦怠感もありました。
コロナと関連しているのかはわかりませんが、それよりも症状が長く続いて辛かったのは帯状疱疹です。
ピリピリとした痛みがそれこそ最近まで続いていました。やっと消えてきたな、という感じです。1年4ヶ月ほどかかりました。
そして、実は先週2回目のコロナにかかりました。
今回も夫が先にかかり、それがうつったのですが、私としては前回のコロナより軽い症状でした。
私の体調自体が前より少しよくなっているので、今は漢方で飲めるものがあります。
コロナ用というわけではなく、普段から風邪をひいたときに主治医から出される葛根湯加川芎辛夷を症状が出てすぐに飲み始めました。
布団をかぶって何度も汗をかいたのもよかったかと思います。
寒気などの症状が出始めてから、喉の痛みなどが消えて全快したと感じるまで5日間くらいでした。
基本的には風邪だという理解のもと、無理をせずに焦らず、自分の体が治るペースにあわせて休むことを心がけました。ビタミンとらなきゃ、これ食べなきゃ、水分とらなきゃ、とか思わずに、今体は何を欲してるかな、食べたいものはなにかな、と意識してきくようにしました。コロナに限らず、化学物質過敏症の症状でも、最近はなるべく体の声をきこうと意識しているので、前回コロナにかかった時よりそうしていました。
コロナといっても、いろんな株があって症状の重さも違うと思います。
参考になると良いのですが。
ちっちさんの症状が少しでもよくなるよう、お祈りしております。
私も化学物質過敏症です。発症時はどの病院も診断しきれず、正式に診断されてはいません。あれこれ試して悪化していきました。もう自分で判断するしかない、といろいろ調べ、逃げ回って、なんとか日常生活がおくれている感じです。ブログを読ませていただき、参考にさせていただいています。
のだめ さま
そうでしたか。
診断されていてもいなくても、生活の中では自分の感覚が一番の軸になりますから、自分で判断されるのは大切だと思います。
参考にしていただき、嬉しいです。