化学物質過敏症になってから色に飢えています

私は小さい時から絵を描くのが好きで、特に色に対しては普通の子より感覚が敏感だったかもしれません。

小学校の図工の時間、学校指定の絵の具は12色入りでした。
それでは絶対的に色が足りない、と思っていて、親に買ってもらった30色入りのギターペイント+バラ売りの絵の具で欲しい色を調達し、大きな缶に入れて持参していました。

そんな子供だったので、大学は女子美術大学に進学しました。
「赤」と言ってもそれがどんな赤か、感覚の話が会話の中で普通に出てきて、ああ、私の居場所だ、と感じたのを覚えています。

卒業して仕事を初めても、絵を描く必要がある時はリキテックス(アクリル絵の具)を使って描いていました。
シルクスクリーンの製版をしている会社なので、プリントする時の色や、様々な種類のインクを目にするのはとても楽しい時間でした。
たまに、好きな柄を作って、自分でTシャツにプリントしたり、バッグにプリントしたりして遊んでいました。

それなのに。

化学物質過敏症を発症したら、自分の会社に近づけなくなりました。
インクに反応するので、自分でプリントできなくなりました。
デザインで絵を描くのも、アクリル絵の具が使えなくなりました。

PCで描いたりもしますが、絵に深みが欲しい時はどうしても手の方が出しやすい。
この、満たされない、飢えのような、しかも思い通りに表現できない悔しさ。

絵を描くことが遠くなる中、息子がデザイン系の学校に進みました。
学校に必要なものを一緒に見て欲しいと言われ、おそるおそる入った画材店。

ああ、なんて満たされる光景。

って思う間もなく、頭がズキズキ。
だめだ、耐えられない…。

でも久しぶりに絵の具をみて、描きたい欲が湧いてきました。
色々考えて、ひょっとして日本画の画材ならマシなのでは?と思い、通販で買ったのが「顔彩」。

予想はあたり、アクリル絵の具より格段楽です。

久しぶりに絵を描く感覚を取り戻していました。
この「カナリアの手帖」のキービジュアルに載せているカナリアの絵と題字は、私が顔彩で描いたものです。

また、化学物質過敏症の患者さんの中には、鉛筆の芯も辛いかたがいらっしゃるようですが、私は鉛筆にそこまで反応しないので、色鉛筆も使えます。ただ、これはメーカーにもより、苦手なメーカーもあります。

今使っているのは、FABER-CASTELの120色。

なんだか、オタクの人のような気がしてきた(苦笑)…。

しかし、これくらいでは私の飢えは全く満たされず。

化学物質過敏症になったら、家は漆喰と柿渋を塗った木の板、着る服はオーガニックコットンでもちろんプリントもないし、自分の好きな色の服でもない。

この10年間、食べ物の制限も辛いですが、何より私の生活から色が格段に減ったのは魂の乾きのようで辛い。

…ますますオタクのような気がしてきた(笑)。

この辺りで今回はやめておこう。

私にとって色がないのは魂の乾きなので、常に色に飢えている、というお話でした。

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