化学物質過敏症でホテルに泊まりました

私がオーダーしたオーガニックコットンのガーゼ生地。wacca(ワッカ)でマスクやシーツにしていますが、原糸のオーガニックコットンの栽培・調達から紡績までしている工場(大阪)と織っている機屋さん(兵庫)を訪ねました。ずっと訪ねたかったのですがコロナや私の体調不良もあり、先日ようやく主治医からOKが出たので何年ぶりかの泊まり出張となりました。

工場見学についての報告はまた詳しくするとして、今回は私がどのようにホテルに泊まったかをご報告します。

福井から自分の車で夫と私、広報担当のデザイナーさん(サイトやカタログを作ってくれています)の3人で行きました。
宿泊は大阪。主治医から、泊まるホテルは少しグレードの良いホテルにするようすすめられたので、訪ねる工場の方に近くの良いホテルをお聞きしました。

ホテルには事前に
・掃除には洗剤やアルコール消毒を使わず水ぶきでお願いします
・石けんやシャンプーなどのアメニティは置かないで下さい
・過去に喫煙だった禁煙ルームは反応するので確認をお願いします

と伝えお願いしました。

食べられるモノがなかった時や体調が悪かった場合、部屋でご飯を炊くために炊飯器を持っていきました。写真の炊飯器は1.5合炊きで、長距離ドライバーさんに人気のもの。

お米は一合ずつ袋に。赤いキャップは醤油。その横は赤シソ(ゆかり)。折りたたみのスプーンはフォークもセット。ナイフがついているので果物など多少の食材も切れます。しゃもじはないと不便。右端は塩です。

お米はいつもの自然栽培ササニシキ。そのほか海水を煮詰めてとった塩と、母がつくってくれたゆかり。おかずがなくてもおにぎりにでき、冷蔵が必要ないものです。他にミニラップも持っていきます。あると便利です。

過去にホテルに泊まった際飲食店に入れず、オーガニック食品の店で有機栽培豆のお豆腐と納豆を買って部屋でご飯を炊いて食事をしたことがあります。それ以来お醤油も持参するように。そして割り箸は使えないのでマイ箸が手持ちのバッグに入れてあります。

幸い食事は兵庫にいる知り合いのカナリアン(CS患者)さんにオーガニックカフェを教えてもらい、そこで食事ができました。外食は一年ぶり。幸せすぎて「生きててよかった」と何度も言ってました。

主治医から現地のお水は飲まないように言われていたので、私の体に合っている「瓜割の水」とティーバッグのお茶類。普段は茶葉を茶漉しに入れて飲んでいますが、それを持って行くのは面倒なので反応しないティーバッグの紅茶をタンブラーとともに持参します。外では飲み物に対して緊張しているので、いつものお茶がのめてホッとしました。

有機栽培の紅茶でも、ティーバッグが漂白されたものだと反応することがある。未晒しのものや、とうもろこしの繊維でできたティーバッグだと反応が少ない。


朝はホテルのバイキングでしたが、和食のメニューが少なく、添加物的にもあまり食べられるものもなくてスクランブルエッグと白ごはん、湯豆腐、海苔を食べました。でもまだお腹が空いていたので部屋に戻り、ご飯を炊くほどではなかったので事前に焼いてもっていった米粉のクッキーと紅茶でお腹を満たしました。

道中のおやつにもなる。米粉は腹持ちもいい。

忘れたのがスリッパ。ホテルによくあるスリッパは履けないので、お風呂上がりは翌日の靴下を履いてからスリッパをはきました。
反応するものでも直接ふれなければ使えることもあるので、そこは工夫次第です。


他に歯磨き粉も忘れましたが、塩があったので大丈夫でした。塩の歯磨きも気持ちのいいものです。

そして、布団はそのままでは使えないので私が寝られる工夫をします。
説明が難しいので動画に撮ってみました

結果、かけ布団はこの状態でも反応してしまい、シーツにくるまって寝ました。
カーペットのにおいにも反応し、マスクをして寝たのですが暑くて1時間ごとに起きてしまいました。顔にかいた汗がねっとりしていて、ああ、いつもの食材や調味料ではないものを食べたからだな、と体の正直な反応に驚いていました。

以前は布団そのものを持って行ったこともありますが、布団が汚染されると洗濯が大変なので、持ち運びと洗濯が楽なフラットシーツを作りたいと思っていました。wacca(ワッカ)でそれが実現できて、今はずいぶん楽になりました。

帰ったらとにかく洗濯物が多い。ワッカのシーツはあっという間に乾くので、心の負担が減っています。今日も3回洗濯しました。

化学物質過敏症で泊まりの遠出があると、行く前の準備、行った後の始末にも体力を取られます。

今日は出張から帰って4日目ですが、まだ回復したとはいえない体調。
帰宅後のスケジュールにも余裕を持っておくことが大事だと感じました。

『大丈夫、きっとよくなる。化学物質過敏症の私がつくった製品wacca(ワッカ )』

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ご協力ありがとうございます。

カナリアハウス主宰|シルクスクリーン製版の(株)横山工藝 取締役。学芸員(美大卒)。2009年に化学物質過敏症を発症し、2013年に診断。12年~14年、21年が最も状態が悪く、今は寛解(かんかい)に向けて前進中。アトピー性皮膚炎歴30年。 過敏症の方が使える衣類を開発・製造して「ワッカ」http://store.wacca-f.com で販売|衣食住に関する情報発信は「カナリアハウス」https://canariahouse.com |著書に「化学物質に過敏なあなたへ」https://amzn.to/3UdVC2T

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“化学物質過敏症でホテルに泊まりました” に3件のコメントがあります

  1. こんにちは、いつも参考になる記事を有難うございます。
    今回のホテル宿泊の記事も、とても有難かったです。
    (もしやAホテルでしょうか?だとしたら、宿泊先候補のひとつです。)

    ホテルの方へお伝えするのも最初は勇気や根気が必要だったり、工夫も必要ですが、
    こうしたお願いが増えることでホテル側からも環境・サービスの在り方を
    見直して頂けるかもしれませんね。朝食等でもせめてオーガニック食材が一品でもあると嬉しいですし。
    (「オーガニック」食材ならOKという訳でもないので難しい面はありますが。)
    外食時は、業務用洗剤や消毒類が食器類に付着していて食べられなかったりもするので、本当に難しいです。

    外出時は移動は緊張の連続。水・食料・対策グッズと、とても荷物が多くなりますし、
    オーガニックのお店を探すのも一苦労、あってもお店の方や他のお客様によっては行かれない。
    それだけでも疲れてしまいがちですが、ミニ炊飯器持参ですと自炊も愉しめていいですね!
    いつものご飯が一番美味しいし(我が家も自然栽培ササニシキです)購入しようと思いました。
    有難うございます。貯金して、ワッカの寝具類も購入させていただきますね♪

    (ちなみに、旅先でのお洗濯の水で苦労しませんか?なるべくシャワーヘッド持参するようにはしていますが。)

    では、長文失礼しました。これからもご自愛ください。益々のご活躍を期しております。

    1. 旅にいきたいMCS読者 さん

      コメントありがとうございます。
      ホテルはSホテルです。

      ホテルへのお願いは何度かしていますが、最近は何とかしようとしてくださるのを感じます。
      7、8年前は戸惑いというか、何かわからないものに対してちょっと引かれてしまう感覚もありましたが、化学物質過敏症という症状を知る方が増えたのか、アレルギーその他多様なお客様への対応が広がったのか、私の感覚としては前向きに対応してくださるのを感じます。

      いつものご飯が一番美味しいというの、わかります。そして安心ですよね。ホッとしますし。

      ワッカの寝具類についてもありがとうございます。今回その生地を織ってくださっている方、紡績会社の方とお会いしましたが、ああ、これはそれぞれの工程でここまで対応してくださったからこそできた生地だな、この積み重ねってある意味奇跡だな、と思いました。実際に私を見たことで、より一層気をつけなくてはとも言ってくださいました。またブログに書きますが、感動の出張でした。

      あと、旅先でのお洗濯はまだしたことがありません。長くて2泊なので、持ち帰ってからひたすら洗濯しています。
      長期になるとそういう問題も出てきそうですね。またトライしてみたいと思います。

      1. 横山様

        ご返信有難うございます。

        前回、コメント入れさせて頂いた後に他の記事を拝読し、大変なご状況だったと知りました。
        そんな中での記事更新やご返信、恐れ入ります。くれぐれもご自愛くださいませ。
        (このご返信は不要ですので。)

        化学物質過敏症(電磁波過敏症もあり)外出さえままならないことも少なくない中で、
        外泊や旅行というのはハードルが高くなりますが、横山さんがお感じでいらっしゃるように
        以前よりお伝えしやすくなってきてるように、私自身も感じています。

        今後益々理解が広がり深まっていき、宿泊施設のみならず健康的な環境が増えていくことを
        願い、私自身も他の方々へお伝えしていきたいと思います。

        また、日頃から良質な製品をご提供くださり、有難うございます。
        出張でのお話の記事も愉しみにしております。スタッフ・関係者の方々にも感謝です。