アレルギー反応で衣類に困窮する

発症して間もないころ、当時診てくれていた鍼治療のK先生が、使える製品について色々教えてくれました。

中でも衣類や寝具などの布製品は直に触れるものなので、教えていただいて助かりました。

「この店でオーガニックコットンのシーツを作ってくれるよ」
「この店紳士物だけど、そこにこういう綿入りのジャンパーがあるから、あれなら着られるよ」

先生が見つけたものを教えてもらい、治療の帰りにその店によって買っていました。

そのころは見た目は二の次で、体が楽になる、寒くない、ということが優先。
どうみてもおじさま用のデザインで、小さいサイズでもブカブカでしたが、とりあえず着られるものを探す、というのが第一命題。

特に冬は、フリースやウールのセーターが着られないので、寒くて仕方がありませんでした。
足元は薄い靴下なので、冷えて辛かった覚えがあります。
綿の重ね着とショールで乗り切りました。

K先生が教えてくれるものは、自分が持っているほかのものと違いました。
体がほっとして緊張感がとける感じです。

自分の中に基準ができていき
「これは無理だな、着られない」
というものはどんどん処分していきました。

そのうち着られるものが本当にわずかになり、いつも同じパーカー、Tシャツ、マスク、帽子、という姿になりました。

ある時、用があってデパートに行かなくてはいけなくなり、1階の化粧品売り場を通るため顔半分をストールでおおい、そのころは光にも敏感だったのでサングラスをし、とてもおしゃれとは言えない格好で店に入りました。

ふと気配を感じ、周りを見ると、制服を着たガードマンが私の後方をついて来ていました。
よほど怪しいと思われたのでしょう。

苦笑と悲しい気持ちが入り混じった気持ちになりました。

久しぶりに入ったデパートで

「こんなに商品があるのに、私が使えるものは一つもないんだな。
このキラキラした空間に、私は受け入れてもらえないんだな。」

と今思えばかなりマイナス思考ですが、落ち込むことの多い時期でした。



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wacca代表。シルクスクリーン製版、衣装制作の(株)横山工藝 取締役 。アトピー性皮膚炎歴30年、2009年に化学物質過敏症を発症し、2013年に診断。2012年~14年が一番状態が悪く、今は寛解(かんかい)に向けて前進中。 「心地いいが基準になる暮らしのために」をコンセプトに、過敏症患者さんも一般の方も安心して使えるものづくりを目指して、スタッフとともに試行錯誤しています。

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