カナリア プロジェクトとは

このプロジェクトは化学物質過敏症患者のための染料と衣類の開発を目的としています。
化学物質過敏症患者である私自身が、自分でも大丈夫な素材や染料を使って、実際に実験しています。実験の過程や結果から気づいたことなどをまとめていきたいと思います。

化学物質過敏症でもおしゃれ着がほしい

化学物質過敏を発症すると、下着や服にも反応してしまい、基本的な衣類にさえ困窮してしまうのが実情です。
実際に私も、ベージュや生成り色、色があっても無地のオーガニックコットンの服しか着られなくなりました。

「以前のように明るい色やプリント柄の服を着たい」
「せめて気持ちだけでも元気のでる色を身につけたい」

そう思っても、カラフルな色や素敵な柄が入った洋服は、生地やプリントに使われている糊や溶剤に反応してしまい、袖を通すことすらできません…

化学物質過敏症の患者さんは、全体の7割が女性です。
最近は子供にも増えてきましたが、30歳以降に発症する患者さんが多いデータもあります。

それまでは自分の好きな服を着ておしゃれを楽しめていても、発症したらそれどころではなくなります。
いつしか「過敏症だから仕方ない」と諦めてしまうこともあります。私自身がそうでした。

詳しくは当ブログ「アレルギー反応で衣類に困窮する」をどうぞ >>>

だけど…
いろんな制限がある中で生きていかなければいけない、そんな状況だからこそ…
気持ちが明るくなるような、着ているだけでほんの少しでも心が軽くなるような、そんな服をもう一度着れたらなあと思うのです。

自分の意思ではどうにもならない状況に苛立ちや失望を感じ、物理的にも心理的にも引きこもりになりがちです。でも、おしゃれができれば、外に出る前向きな気持ちも生まれるんじゃないか。そして、そんな服こそが私の思う「おしゃれ着」でもあります。

 

ないなら自分で作るしかない

うちの家業はシルクスクリーン版の制作・販売をしています。
そして私自身は、14年前によさこいや太鼓の衣装を作る、衣装企画部という事業部を立ち上げました。

初めは、弊社がプリントに関わっていることから「衣装にチーム名を入れたい」「柄をプリントしたい」と相談され、そのうち衣装そのものを作ってくれないかと言われたのがきっかけです。

縫製もわからず、パターン(型紙)も引けず、困っていたお客様からの「こういう衣装が欲しい」という熱い気持ちと、「どこも作ってくれない」という言葉に後押しされて、素人同然からのスタートでした。

素人だからこそ通常の生産ラインにとらわれず、「こんな衣装は作れない」と他で断られたお客様の衣装を作る方法を考えられたのかもしれません。

また、私の住む福井は古くから繊維が地場産業です。
この地域には糸、染色加工、縫製など一貫してできる「地域の力」があります。何も知らない私に、たくさんの先輩方が惜しげもなく足りない知識を教えてくれ、人を紹介してくれました。この地に育ててもらったと思います。

そうか!今回も一緒だ!
世の中にないなら、自分で作ってみよう。

ただ、多少プリント業界のことがわかる今は、衣装事業の時より自分の無謀さを自覚していたりします(笑)
私はプリントに関する仕事をしていますが、顔料中心で、染めはあまり詳しくありません。けれど、染めのことに詳しくないのはマイナスではない、というのは前回と同じです。

 

このプロジェクトに込めた想い

私がやろうとしていることは、とても難しいことなのだろうと思います。
でも、いつか実現できる気がするのです。

私にはイメージがあります。
色に枯渇していた魂がごくごく飲みたくなるような色彩。
人の体にも環境にも害の少ない、そんな新しい染料ができて、
布に自由にプリントしている自分がいて、
それを着ている自分もいるのです。

染色そのもののことではないのかもしれません。
最終的に、気持ちが晴れやかになれる服を安心して着たい、という希望が叶えられる方法があれば、染色以外の何かと組み合わさってもいい。

なので、この無謀ともいえる実験経過もブログに載せていこうと思いました。
誰かがこのブログをみて、ヒントをくださるかもしれない。
思いも寄らないアイデアが届くかもしれない。

これからアレルギーの人は増える一方で、そんな私たちを取り巻く環境問題もひどくなる中で、「少しでも良い製品や製造環境を作っていきたい」という思いを抱いている人は、きっと私だけではないと思うから。

ままならない状況を、少しでも生きやすくする。
大変なことは抱え込まず、助けや協力を求める。

私が苦手なことは、誰かが得意だったりする。
そうやって補いあって、最後にみんなが欲しいものができれば、それが最高だな、と思うのです。

どんな未来が待っているかわかりませんが、明るい未来だと信じて楽しもうと思っています。

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