わからない症状、そして家族との衝突

平日は両親が、週末は夫がK先生の鍼治療に連れて行ってくれました。ステロイドをやめると、黄色い滲出液と柔らかいカサブタのようなものが顔一面に広がり、お岩さんのような顔になりました。

当時小さかった次男は、怖がって私に近づいてきませんでした。
私の母に「おかあさんの顔、いつ元に戻るの?」と聞いていたそうです。

私は「この症状はステロイドをやめないと治らない」と思い、ステロイドの常用をやめることを決心しました。
今はその経緯を冷静に書けますが、当時は頭もぼうっとしていて、うまく家族に説明できませんでした。

とくに両親は、私が苦しみながら治療に行く様子をみて、とても心配しました。
なぜ病院に行かないのか、そんなにつらいならなぜ薬を塗らないのか、と何度も聞かれました。

車の後部座席で、顔の痛みに突っ伏しながら「病院に行ってもよくならない」と頑なにいう娘を、どうにかなってしまったのではないか、と不安だっただろうと思います。

ただ、両親は自分たちもK先生の鍼治療を受け、その効果も実感していたので、K先生を信頼していました。
だから私の行動に納得できないながらも、治療に連れて行ってくれたのだと思います。

そのころ周囲からも「なんの病気?何が悪いの?」と聞かれるようになりました。
けれど、私にも答えられませんでした。

本で「ステロイド皮膚症」を知り、今起きている症状はこれだ、と思いましたが、医師に診断されたわけではないので、周囲にそうとも言えませんでした。

周囲も「その症状は何なのか」「いつよくなるのか」と、私に聞くしかなかったと思いますが、そう聞かれることも苦しく、私はだんだん話さなくなり、ふさぎこむようになりました。

その様子から、私がうつ病なのでは…と疑うこともあったようです。精神的に追い詰められて、そうみえたかもしれません。

でも、のちに精神科を受診すると、先生は「うつ病ではありません」と仰いました。「それでは何なのか」に対する答えはいただけませんでしたが、その時、この症状の正体を突き止めるには、考えられる可能性をこうやってひとつひとつ消して行くしかないのだと思いました。

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wacca代表。シルクスクリーン製版、衣装制作の(株)横山工藝 取締役。学芸員(美大卒)。2009年に化学物質過敏症を発症し、13年に診断。12年~14年が最も状態が悪く、今は寛解(かんかい)に向けて前進中。アトピー性皮膚炎歴30年。 過敏症やアトピーの人が安心して使える衣料、安全な染料でおしゃれを楽しめる衣類を開発。

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