化学物質過敏症で行く家族旅行


おそらく4、5年ぶりの家族旅行へ。

前記事で予約した、石川県加賀市の「古民家の宿 忠兵衛」へ向かいました。

宿の室内はこんな感じ

昭和24年に建てられた古民家を移築、改修された建物は、家族四人で泊まるには十分すぎるほどの広さでした。



床は松の木で柿渋が塗られています。
浴槽は青森ヒバ、壁板はヒノキで、漆が塗られています。

ご主人は元は山中塗の職人さんだったそうです。

なので、食事をするお蕎麦やさんの建物も、天井に漆が塗られていたり(確かお祖父様がされたとお聞きした気が)、今となっては貴重な仕様を見ることができました。

部屋の囲炉裏を使うことはありませんでした。
後に出てくる食事で使われた囲炉裏は、隣のお蕎麦屋さんの囲炉裏です。

階段を登ると小さな部屋があり、そこは畳敷きになっていて布団が用意されています。家族はその布団を使用し、私は自分の布団を持参してそこにひいて寝ました。

宿泊したのは5月のゴールデンウィークでしたので、ストーブを使うことはありませんでしたが、暖房は薪ストーブ(もう一棟は確かペレットストーブだった気がします)が用意されています。

縁側からテラスに出ることもでき、ここでゆっくり本を読みました。

後ろの山の斜面は手入れされていて、ツリーハウスもあった記憶があります。

ちなみに、写真はありませんが、小さなキッチンもついていました。
食事に制限がある方は、自炊もできるかと思います。

外の様子、子供の遊び場

すぐ近くに小川が流れていて、そこで子供達は夫と釣りをして遊んでいました。

空気もよく、めいいっぱい深呼吸できて体も楽になる感じでした。

違う場所で子供の様子を見るのも久しぶりで、楽しそうな様子にホッとしました。

周囲はずっと山に囲まれています。
翌朝、夫が散歩に行く、というので、ついて行きました。

普段は洗濯物の香料や排気ガスなどで近所を散歩することもできなかったので、外を歩くのも久しぶりでした。

ところが、300mほど歩いただけで「これは無理」と引き返しました。
あまりに体力が落ちていて、たった数百メートルも歩けなかったのです。

当時、自分が反応しない安全な場所はリフォームをした自宅くらいでした。
ほぼ家の中で過ごしていたため、自分の体力のなさに気づいておらず、愕然としました。

宿の食事

夕食は、隣の「そば工房 権兵衛」さんでいただきました。

日中お蕎麦を提供するお部屋ではなく、囲炉裏のあるお部屋でした。

地元で採れたお野菜やお魚を、炭火で焼いていただきました。

とても美味しく、料理を提供してもらいながら宿の方とも色々お話ができました。

思えば、新しい人との出会いが極端に少なくなっていた私。
何気ないおしゃべりができていることに、密かに感動していました。

私が化学物質過敏症という症状で薬が使えないことや、アトピー性皮膚炎で長年使ったステロイドを離脱したものの、まだ皮膚の状態がよくないことを話していると、近くにすむ方でお子さんのために自然の植物で皮膚につけられるものを作っている方がいるとおっしゃって、ご近所だからとその方を呼んでくださいました。

そしていただいたのがこちら。
肌が荒れた時や、火傷や切り傷をした時などに使いました。

当時も今も、紫雲膏くらいしか使えないので、軽い症状には役立ちました。

こうした出会いがとても新鮮で、また懐かしく、ああ、もっといろんな人と会いたいなあと思いました。

翌日の朝食はこちらです。

どれも安心して食べられ、とても美味しかったです。
そして、前回来た時同様、お米の美味しさが素晴らしく…

このお釜で炊いているなら、なおさら美味しいですね。

たくさん食べてしまいました。(写真はすでに減っている状態)

一泊二日の旅行でしたが、とても刺激になりました。
そして、もっと回復したい、動けるようになりたい、いろんなところへ行って、いろんな人と会いたい、と思うようになりました。

リンク先

▼古民家の宿 忠兵衛

https://hyaku-warai.jp/staying/chubei/index.html

▼そば工房 権兵衛

https://hyaku-warai.jp/food/


『大丈夫、きっとよくなる。化学物質過敏症の私がつくった製品wacca(ワッカ )』

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カナリアハウス主宰|シルクスクリーン製版の(株)横山工藝 取締役。学芸員(美大卒)。2009年に化学物質過敏症を発症し、2013年に診断。12年~14年、21年が最も状態が悪く、今は寛解(かんかい)に向けて前進中。アトピー性皮膚炎歴30年。 過敏症の方が使える衣類を開発・製造して「ワッカ」http://store.wacca-f.com で販売|衣食住に関する情報発信は「カナリアハウス」https://canariahouse.com |著書に「化学物質に過敏なあなたへ」https://amzn.to/3UdVC2T|YouTubeチャンネル「カナリアハウス」 https://www.youtube.com/@canariahouse

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“化学物質過敏症で行く家族旅行” に3件のコメントがあります

  1. こんにちは。
    私も、化学物質過敏症と診断されています。
    この夏の間、とても暑くて、ほとんど外に出られませんでした。かといって、家の中で運動もせず、家事で体を動かすくらいでした。

    先程、ひさーしぶりにゴミ捨てに歩いて行きました。歩いて一分位のゴミステーションです。往復約2分。コロコロに、ゴミ袋を乗せての往復です。
    なんだか、心臓が苦しく、息切れしそうでした。
    そして、こちらの記事を思い出しました。

    家の中で動いているだけだと、体力落ちますね。
    奈保子さんは、どのようにして体力を戻されましたか?
    良ければ教えていただきたいです。

    1. うさぎ さん

      体力、落ちますよね。
      私は体調が上向くと同時に家事の範囲も広がり、それと同時に少しずつ体力も上向く、という感じです。

      なので、体調が悪化したり、曝露したのが深刻で数ヶ月寝込んだりすると、それまで少し動けていたのが再度体力が落ちた状態に、というのを繰り返しました。

      以前は散歩しなくちゃ、とか、ラジオ体操やNintendo Switchでダンスや運動をした時期もありますが、今は体調が上がって行動範囲が広がれば自然に体力は回復すると感じています。

      なので、今は体を整えるために鍼治療の先生に教わった「八段錦」というゆっくりした動きをする体操のようなものをたまにする程度です。
      あと最近、歩き方を変えました。

      子供の頃からの名残で、学校での行進のように踵から地面につける歩き方をしていたのですが、これは体が疲れるようで。
      ちょっと足踏みをしてスッと前に出た時の歩き方が体に負担のない歩き方だそうです。
      これだと踵は踏み出す時には地面につきません。

      このように歩くようになってから疲れにくくなりました。

      化学物質過敏症は、こういった面でも「加える」のではなく、楽になるよう「減らす」意識が大切だな、と感じます。
      体力を削られないような工夫をする。
      そのほうが、パワーを体の治癒に回せるのだと思います。

      体はまず治癒にエネルギーを使いたいのだと思います。
      治癒が進めば自然と体力もつきますから、焦らずに体の回復につとめてみてくださいね。

  2. ご丁寧な返信ありがとうございます。
    とても、勉強になりました。

    加えるよりも、減らすとは目からウロコです。

    私もコロナにかかって後遺症みたいになってしまってから、定期的に鍼灸を受けています。体重も、少しずつ増えてきました。

    太極拳にむかーし興味があり、少しですが習っていたことがありました。偶然ですが動画で八段錦を見て、最近ですがやりたいなと思っていました。

    お年寄りでもできる!お年寄りのための動画ですが、私にはちょうどよい、むしろレベルが高くてできないところもあります。

    体調の良い時にやってみて、ゆるゆると身体を変えて行こうと思いました。

    歩き方も、疲れない工夫があるんですね。

    なかなかこういったお話を聞ける人がいないので、お返事が嬉しかったです。ありがとうございました!

    身体は変わると信じて、希望を失わずに行こうと思います。旅行にも、行きたいな。